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2018年10月14日 (日)

2018年10月13日

2018年10月13日

 

 今日は、朝から雲の多い陰鬱な空でした。地上も同じように陰鬱でした。この所、偶に日差しはあるものの、スカッと晴れた日がありません。気分も晴れません。日差しが少ないので、ベランダに干していた木の実も片付けました。

 今日は、明星大学の公開講座に参加しました。明星大学の人文学部日本文化学科は、毎年10月の各土曜日の午前と午後に、公開講座を開いています。参加は、誰でも自由なのですが、私のような老人が半数以上を占めています。私も、ここ5年ほど毎年参加しています。

 今日の公開講座のテーマは、「平成における<昭和>の記憶 ノスタルジアからバブルまで」でした。講座の講師、日本文化学科の向後恵理子准教授に拠れば、毎年午前の部は、日本の古典文学とテーマが決まっているそうですが、午後の部は、毎年テーマが変わるそうです。今年のテーマは、平成が来年で終わることから、平成がテーマになったそうです。そんな訳で、向後講師の専門は、明治期の文学なのだそうですが、今日の講座は、専門を離れて纏めたものだそうです。こんな裏事情があるとは知りませんでした。専門だけに拘らず、色々な方向に視野を向けるのは良いことだと思いました。

 約1時間半の講義でしたので、講義の内容を全部書くわけには行きませんが、最初に良いと思ったのは、ノスタルジアの説明でした。ノスタルジアは、最初は心身の病の名前だったそうですが、その後、誰もが知っているような、「遠く離れた異郷にいて、故郷を懐かしく思う気持。遠い過去の時を懐かしんで、憧れる気持。郷愁。」と変わったそうです。講師が紹介した様々な昭和の出来事に、まさしくノスタルジアを感じました。

 私は、全く知らなかったのですが、チェコ生まれのフランス作家ミラン・クンデラの作品「存在の耐えられない軽さ」の中の一文が紹介されていました。「消え去ろうとしている夕焼けは、あらゆるものをノスタルジアの光で照らすのである、たとえギロチンでさえも」でした。作家の気持と同じではないかも知れませんが、人生の夕焼け時を迎えている私としては、過去の人生の全てが、ノスタルジアの光に包まれています。あの悲惨な原爆で破壊された故郷長崎の、瓦礫の中で、満足に食べるものも無い状態で育った事さえもです。

 講師の最後の締めくくりも良かったと思っています。「時が経てば、全てがノスタルジアになるけれど、過去は常に未来に繋がり、未来の活力を生んでいる」と結んでくれたのです。ある意味、当たり前の結びではありますが、誰もが、このように考えてくれることが、人生の夕焼け時を迎えている、私のような人間にとっては、有難く嬉しいことなのです。

 公開講座のお陰で、頭に刺激を受け、良い時間を持てました。講座の後は、隣の中央大学のキャンパスを歩いて、程久保川の源流地帯である七生の谷へ出て、多摩動物園駅まで歩きました。その後は、高幡不動から聖蹟桜が丘に出ました。そこで本屋に寄り、公開講座で紹介された本、「一億人の昭和史」があるか、探してみました。しかし、昭和50年代に刊行されたものなので、置いているはずもありませんでした。毎日新聞が刊行した、本というかグラフというか、写真の多い本だったようです。アマゾンとか通信販売では売っているようなので、買ってみたい気になりました。そして、今日は珍しく、本屋の歴史の書棚を真剣に見ました。なかなか面白そうな本が、沢山ありました。歳を取り、緑内障を患ってから、本とは縁遠くなってしまいました。学生時代、寝食を忘れ本を読んでいた日々を懐かしく思い出しました。罪と罰を始めとし、ドストエフスキーの本は、全て読みました。ヘルマン・ヘッセの「車輪の下」も、「郷愁」も読みましたねー。これも、ノスタルジアですねー。

 家には、5時過ぎに戻り、今日から始まった、野球のクライマックスシリーズ、ヤクルトー巨人戦を見ながら、晩酌にしました。昼間のアカデミックな時間の過ごし方とは違いますが、これが本来の日常です。

 

「念じれば 夕日の再び 昇るなら 想い出もまた 現つとなるや」

「人の世は 時の流れを 変えられぬ 想い出の数 増え行くばかり」 

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